まもなく日本語版がでるHearthstoneとその制作会社であるBlizzardとは

battle.netより

もうまもなくアメリカのBlizzard社が作成している Hearthstoneというゲームの日本語版がリリースされる。一部のファンが騒いでいるのを目にした人もいるかもしれない。言ってしまえばたかだかいち洋ゲーの日本語化にすぎないのだが、私自身がこのゲームを好きなこともあり、なぜ一部で注目されているかということについてちょっと説明してみたい。

そもそもBlizzard社とは

正式名称Blizzard Entertainment社。おそらく日本ではかなり知名度が低いと思われるが、まさに世界トップのゲーム制作会社の一つであることは間違いない。家庭向けインターネット黎明期からオンラインゲームを作り続けており、いまなおヒット作を生み出し続けている。そして世界中で非常に多くのユーザがこの会社のゲームを楽しんでいる。彼らはゲーム制作に非常にこだわりを持っており、明らかにゲームシステムができているのに発売まで数年かけたり(おそらくゲームバランスの調整をしていると見られる)、発売前に制作を中止したりする徹底ぶりである。

代表的な作品をいくつか紹介したいと思う。

Diablo(ディアブロ)シリーズ

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おそらく現時点ではこれが日本で最も有名なBlizzardのゲームだと思われる。2015年時点でDiablo3までが発売されている。ゲームスタイルは複数人でネット越しに集まってやるモンハンといえば想像しやすいかもしれない。やりこみ要素やゲームバランスが優れており、1990年台後半にヒットしたDiablo2は廃人を続出させていた。また、Diablo3についてはスクエア・エニックスが委託によって日本語版をPS4で発売している。

Starcraft(スタークラフト)シリーズ

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リアルタイムでマップ上の資源を回収し、兵士や兵器を準備し、対戦相手を攻略するRTS(リアルタイム・ストラテジー)というジャンルのゲーム。日本ではAge of Empireの方が有名で、最近ではスマホゲームのClash of Clansやリトルノアがこれに属する…らしい。Starcraftは特に韓国で人気が高く、プロリーグが存在し韓国の大手企業がそれぞれスポンサーとしてついている。世界大会も多く開かれており、賞金総額が数千万円単位なこともざらである。

Warcraft / World of Warcraft シリーズ

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WarcraftはStarcraftと同じRTSのゲームになる。こちらは最後の拡張が2003年に発売した後は開発は続けられていないが、この世界観を引き継いだ World of Warcraft は世界最大規模のMMORPGとなっている。月額課金制であるこのゲームは、最近は最新拡張の適用から約1年たっていることもあり課金者数が500万人ほどだが、2014年の「ファイナルファンタジーXI」「ドラゴンクエストX」「ファイナルファンタジーXIV」の合計課金者数が約100万人とのことなので、これと比較するとその規模が想像できるのではと思う。(ちなみに最新拡張の開始時は課金者数が1000万人ほどだった)

では Hearthstone とは

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先述のWarcraftシリーズの世界観を引き継ぐオンラインカードゲームである。Magic the Gathering (マジック・ザ・ギャザリング、MtG) に代表されるトレーディングカードゲームの一種である。ゲーム中で取得・あるいは購入したカードで自分がつかうカードのセット(デッキ)を作成する。カードにはミニオン(戦うキャラクター)やスペルなどがあり、これらを組み合わせた30枚のカードのデッキを用いて1対1の勝負をする。

自分はほとんど他のTCGをやったことがないのだが、以下の点が良いと思っている。

  • 単純にプレーヤー数が多い。公式発表では3000万人ほどのプレーヤーがいるとのこと。とりあえず自分がこれまでプレイしてきて、対戦相手のマッチングに1分以上かかったことはない。
  • プレイヤー数が多いため攻略や考察などが豊富である(ただし、現状ほぼ英語)
  • 操作性に優れている。たとえば不要なカードを他のカードを作るための材料にできるのだが、ダブったカードを自動的に選んでボタン一つで全て処理してくれる。また特にタブレットやスマフォだと操作が直感的で分かりやすい。
  • 実際のお金を払って追加カードを購入できるが、課金すればするほど有利になったり、レアなカードをもとめて何十万と課金することはない。デッキの作り方によるが、自分の経験では多くて1万円ほどで、それ以上課金しても大幅に有利になるということはない。これはレアなカードの出現率の問題だけでなく、不要なカードを材料に(もちろんそれなりの量は必要だが)自分の好きなカードを作れるというシステムがあるためである。

見放されていた国、日本

さて、ではこのゲームの日本語化がどうして注目されているかというと、日本という国はながらくBlizzardから見放されていたという現実がある。日本の会社に委託してローカライズされるというケース(例えばDiablo3)はあったが、Blizzardが自ら日本語化するということはこれまでなかった。

これはアジア圏に対して冷たかったかというと、Starcraftの人気の関係で韓国はかなり優遇されていたし、World of Warcraftでは中国語にローカライズもされている。これはBlizzardは主にPCでプレイするゲームを作っていたが、長らく日本ではコンシューマ機がゲーム市場を独占していて参入が難しかったのではないかと勝手に想像している。また”JRPG”と揶揄されいたりするように、日本人のゲーム感覚が若干他の国とずれいているというのは否めず、敬遠されてきたのではないかと考えている。

だからこそ今回の日本語化は嬉しい

冒頭で書いたとおり、Blizzardのゲームは本当に面白いものが多い。ゲームバランスがとても良く出来ており、どのゲームでもこれだけやれば勝てるというようなものはないし(あったらすぐ調整される)自分の腕を上げれば確実に強くなる。Hearthstoneはデッキを作って戦うためそれなりにカードを揃える必要はあるが、カードの強さだけではある程度のところですぐに行き詰まってしまうようになっている。そのため、勝つためには戦略を考えたり研究したりしなければならない。

正直なところ、こういったプレイスタイルがどこまで日本のユーザに受け入れられるかはわからないし、いわゆる日本のスマフォゲームが売りにしている要素(例えばいわゆる萌え要素とか)がほぼ皆無というのも不安を煽る。ただ、自分で戦略を考え、相手の動きを読んで、勝つというのはとても気持ちのいいものなので、ぜひ多くの人に体験してもらえればと思う。

さらにはこれをきっかけに、他のBlizzardのゲームももっと日本で流行ればいいなというのがささやかな願いである。

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